ever
中庭を中心に家族の時間が輝き続ける、
建築家が手がけた平屋の住まい。
A single-story home designed by an architect, with a courtyard at its heart.
with a courtyard at its heart. Thoughtfully composed spaces nurture family life,
allowing everyday moments to shine and grow over time.
中庭を中心に家族の時間が輝き続ける、建築家が手がけた平屋の住まい。
A single-story home designed by an architect, with a courtyard at its heart. Thoughtfully composed spaces nurture family life, allowing everyday moments to shine and grow over time.
海へと向かってゆるやかに下っていく大通り沿いに、その住まいは静かに佇んでいます。街路樹と歩道が連なるゆったりとした環境のなか、グレーの塗り壁と切妻屋根のシンプルなフォルムが、周囲の緑豊かな山並みと穏やかに調和しています。
建築家コメント
海へと続く大通り沿いに建つ平屋の住まい。歩道や街路樹が広がる開放的な環境の一方で、車の出入りには制約があり、ガレージを活かした計画が求められました。駐車スペースから雨に濡れずに出入りできる動線を確保し、外観デザインにもその機能性を取り入れています。
3台分の駐車スペースを確保しながら、建物と車の配置を工夫することで、道路や隣地からの視線をやわらげる中庭のような空間を計画。光と風を住まいの中心へ取り込み、庭を囲むように家族がつながる間取りとしました。
子どもたちが安心して遊べる居場所と、家族が自然と集まる空間を両立した、これからの時間を豊かに育む住まいです。
敷地と向き合う、外観デザインの発想
この敷地には切り下げの制限があり、道路からの車の出入りを慎重に計画する必要がありました。見通しのよい大通りに面しているという条件のなか、建築家が着目したのは「ガレージを外観デザインの主役にする」という発想でした。
外壁はグレーのテクスチャー仕上げで統一され、余分な装飾を一切排した潔いデザインです。その端正な壁面に、木目が美しいブラウンの玄関扉がひとつの表情を与えています。玄関前には切り石を積んだ花壇と細やかな樹木が添えられ、ミニマルな外観に自然の温もりをもたらしています。
ガレージは建物に組み込まれた形で設けられており、雨の日でも濡れることなく室内へとアクセスできます。これは「駐車スペースから濡れずに出入りしたい」という暮らしの要望に応えた、機能と美観を両立させた解答です。車3台分のスペースを確保しながら、道路側からは建物全体がすっきりと整って見える外観が実現しています。
中庭という「核」が生み出す、光と広がり
この住まいの最大の特徴は、建物の配置と形状を工夫することで生み出された「中庭的なスペース」にあります。道路や隣地からは建物に囲まれて見えにくい、プライベートな外部空間です。
室内から大きな開口部越しに中庭を眺めると、白砂利と自然石で丁寧に整えられた庭に、柔らかな光が降り注いでいます。低木が一本、中央に静かに植えられており、季節によって表情を変えながらも、その景色はいつまでも変わらず家族の日常に寄り添い続けます。
キッチンからも、リビングからも、この中庭が視界に入ります。大開口のサッシが室内と中庭を緩やかにつなぎ、外の光と緑が常に生活の傍にある感覚をもたらしています。空が映り込むガラス面、木目調のサッシ枠、そして白く輝く砂利——これらが重なり合い、昼も夜も美しい表情を見せてくれます。
平屋の豊かさ、LDKの設計思想
玄関を入ると、木質フローリングの廊下が緩やかに広がり、正面には中庭への大きな窓が見えます。木の手すりに導かれながら、空間が奥へと続いていく。その動線は自然で、余計な壁を感じさせません。
LDK(リビング・ダイニング・キッチン)は一体として計画されており、空間に明確なゾーニングを持ちながらも、家族がどこにいても気配を感じ合える開放感があります。
リビングの天井には木板張りが施され、平屋ならではの勾配天井が空間に高さと温かみを与えています。珪藻土のような質感の塗り壁、間接照明による柔らかな光の演出、そして球形のペンダントライトが空間にやさしいリズムを添えています。テレビボードや家具には無垢材が使われており、壁・床・天井のナチュラルトーンと調和した、統一感のある空間が広がっています。
ダイニングには一枚板のテーブルが置かれています。木の個性をそのまま残したライブエッジの天板は、この家のなかで最も生命力を感じさせる存在です。
アイランドキッチンと隣り合わせに配置されており、料理をしながら家族と会話を楽しめるレイアウトになっています。
キッチンはホワイトを基調としたシンプルなデザインで、複数のペンダントライトが食卓を温かく照らしています。
子どもたちが安心して過ごせる室内空間
「庭の優先順位は低く、子どもたちの遊び場は室内で考える」——そんな方針のもとで設計が進められました。しかし最終的には、外とも繋がる豊かな居場所が生まれることになりました。
中庭は建物に囲まれているため、道路から子どもの姿が見えにくい構造になっています。室内にいながら外の空気を感じ、大人の目が届く安心感のなかで子どもたちが遊べる空間です。諦めていたはずの「子どもたちが安全に楽しめる場所」が、建築の知恵によって実現されたのです。
機能的でありながら美しい、水まわり・収納
洗面室は、ホテルライクな仕上がりが印象的です。
石材調の天板に大きなシンクを一体で収めたカウンターが壁面いっぱいに広がり、その上部には間接照明付きのミラーキャビネットが並んでいます。マットブラックの壁付け水栓がアクセントとなり、素材感のある塗り壁と相まって、上質な空間をつくり出しています。
脱衣・洗濯スペースはグレーのモルタル調床で仕上げられており、清潔感と機能性が両立しています。洗濯機は壁面に設置された棚に収まり、限られたスペースを有効に活用しています。浴室へのアクセスもスムーズで、家事動線が無理なくまとまっています。
各居室にはデスクカウンターや収納棚が造り付けられており、クローゼットも十分な広さが確保されています。
ウォークインクローゼットはハンガーポールと可動棚を組み合わせた実用的な構成で、日々の生活を支える収納力を持ちます。
「ever」という名が示すもの
この住まいには、「永遠に、いつまでも」という想いが込められています。中庭を中心に光と緑が広がり、家族が集い、季節の移ろいを感じながら、何気ない日常を大切に積み重ねていく場所。子どもたちが成長し、暮らしが変化しても、変わらず家族の中心であり続けることを目指しました。
シンプルで飽きのこないデザイン、中庭を活かした光と風の計画、素材の質感を引き立てる空間づくり、そして安心で快適な暮らしを支える機能性。その一つひとつが、長く愛される住まいをつくるための設計です。 海に近いこの地で、家族の思い出を育みながら、いつまでも心地よく暮らせる住まいとなることを願っています。




