一連の家
小上がりやウッドデッキ、
居心地の良いプライベート空間が、
暮らしを豊かにする住まい。
Raised flooring, wood-deck seating,
and comfortable private spaces come together to create a home
that enriches both daily life and the experiences that shape it.
建築家が手がけた「一連の家」は、家族同士のつながりを感じながらそれぞれの時間もゆったりと過ごせる“くつろぎ”を大切にした住まい。コンパクトな空間を最大限活用して生み出された居心地の良さは、理想のマイホームづくりに大きなヒントを与えてくれるかもしれません。
建築家コメント
限られた面積の中でも広がりと自由を感じられるよう、「廊下のない住まい」をテーマに計画。移動だけのための通路はつくらず、靴・コート・日用品・季節のものまで自然に整理できる機能的なスペースとして活用。玄関周りを常にすっきり保てるよう工夫しています。
部屋同士を曖昧につなぎながら、適度な区切りによって家族の気配を感じられるレイアウトに。壁で完全に遮らないことで視線が抜け、開放感のある暮らしを実現しています。用途を限定しない「名のない空間」は、集中したい時にも家族と過ごしたい時にも対応でき、暮らし方に合わせて柔軟に変化。家の中でつながる一連の流れを具現化した住まいです。
開口部を抑えたシンプルモダンな外観
敷地は住宅街の一角。外からの視線をカバーするべく、建築は開口部を抑えたシンプルモダンな長方形の2階建の構成に。屋根付きの大きめな玄関ポーチがすっきりとした外観に立体感をプラス。人目も雨風も気にならない玄関を隠すようなつくりにすることで、デザイン性はもちろん機能性にも寄与します。
木の風合いとフロアに広がる光が心地よい室内空間
扉を開けると大きな玄関収納を備えた、木の壁面があたたかな雰囲気を演出する玄関が出迎えてくれます。
玄関の先にはそのままLDK空間が広がります。
廊下を設けずに玄関からダイレクトにLDKへと繋げることで、空間を最大限有効活用。また、コンパクトな玄関もリビングが玄関ホールの代わりとなり視線の抜けを生み出すため、圧迫感がなく広々とした印象にまとまります。
家族のコミュニケーションも一人の時間も楽しめる、様々な居場所のあるLDK
天井いっぱいまでの大きな一面の窓から光が降り注ぐ明るいリビング。造作の棚を設けて床面をすっきりとさせることでより広々とした印象に。
低めのソファで視線に抜けを作り、抜け感のあるゆったりとした雰囲気にまとめています。
リビング横には小上がりスペースを設置。
従来の畳ではなくフローリングで統一することで、リビングの延長のように空間を広く見せることができます。
子どもの遊び場や客間、ちょっとしたお昼寝時間にも、思いのままに過ごせる憩いの空間です。
隣接するダイニングには来客時にも席数を調整しやすいラウンドテーブルを採用。
円形のテーブルは圧迫感が少なく柔らかい印象を与えるため、木を多用したナチュラルなテイストとの相性もぴったりです。
キッチンはペニンシュラ型を採用。
リビングやダイニングに面したペニンシュラキッチンは、キッチンをさえぎる壁や棚などがないため、LDKをすっきり広々とした空間にしてくれます。
また、キッチンに立つ人がリビングやダイニングにいる人と対面できるため、作業中でもコミュニケーションが楽しめるのも大きな魅力です。
腰壁にちょっとしたカウンターを設置することで出来上がった料理を並べるスペースができ、配膳がスムーズに。生活感がでやすいキッチンの作業台も見えにくくしてくれるため便利なポイントです。
造作の飾り棚に調理器具やお気に入りの器を並べて、空間のアクセントに。毎日立つスペースだからこそ、機能性はもちろん見た目にも気分が上がるような空間に仕上げたいですよね。
リビングから直接アクセスできるウッドデッキ。リビングとレベルを合わせて地続きのようにすることで、床面が延びたような解放感を創出。
より広々としたLDKに見せることができます。
ウッドデッキにはアウトドアチェアとコーヒーテーブルを設置することで、第二のリビングとして読書やティータイムなど、季節ごとの光や風を感じながら心地よく過ごすことができます。
シンプルで明るい使い勝手の良いプライベートルーム
リビング隅に設けられたスケルトン階段から2階へ。
階段の骨組みと段板のみで構成されているスケルトン階段は、リビングへの圧迫感がないことに加え、室内に入り込む光を遮らない、空気の循環を邪魔しないといったメリットがあります。
階段横には高窓を配置。開口部を抑えつつも、高い位置に窓を設けることで、住宅街ならではのプライバシーを守りつつ室内に光を取り込めます。
ベッドが2つ並ぶコンパクトな主寝室。壁面を明るいグレーにまとめることで光の拡散によって1つの窓からの光でも十分に明るい印象に。
子ども部屋には天板を壁付した造作のデスクを設置。天板の上部も下部もすっきりとさせて余白を持たせることで、ポスターを貼ったりキャビネットを入れたりと、成長段階に合わせたカスタマイズが可能になります。
横長の窓は1つにまとめずに2つに分けることで、室温や湿度に合わせた通風を可能にしています。
効率的な作業につながる家事導線
造作洗面化粧台にはランドリースペースを併設。家事導線をスムーズにすることも、家族の憩いの時間の確保には重要なポイントです。
長い洗面台は朝の忙しい時間に家族がバッティングしても渋滞にならず、それぞれに朝の支度を進めることができるので、日々のストレス軽減にもつながります。
ピュアホワイトの浴槽が高級感を添える爽やかなバスルーム。就寝前のリフレッシュタイムにぴったりの空間です。
小上がりやウッドデッキなど、ゆったりとした時間を楽しめるポイントが散りばめられた住まい。住宅街でのプライバシー確保の観点から限られた開口に抑えつつ、壁面の色や配置位置によって明るく解放感あふれるプライベート空間も実現。家族のコミュニケーションも一人のゆったりとした時間も、心地よく楽しめる、日々の暮らしを豊かにしてくれる構成が魅力の空間です。




