1mの森を持つ家
建築家が手がける豊かな平屋。
小さな森と暮らす心地よい住まい。
An architect-designed one-story house.
A cozy place to live with a small forest.
「1mの森を持つ家」は、新しく開発された分譲地に誕生した、自然と共に暮らすための平屋住宅。コの字型に配置された建物が囲む1m幅の中庭には、植栽スペースを設け、まるで森の中で過ごしているかのような豊かな住環境を実現。四季折々の美しさをもたらし、住む人に安らぎを与えます。
異なる素材で構成されたシンプルな外観




塗り壁、木板張り、ガルバリウム鋼板で構成された外観。カラーを合わせることで統一感を生み出しています。
中庭へとつながる開放的なポーチ
建物の右側に設けられた玄関は、シンプルながらも機能的な設計が特徴です。
扉を開けると、家の中心に位置する中庭に沿うように玄関ポーチが伸び、屋内外の境界をゆるやかにつなげる空間が広がります。
玄関ポーチにはモルタルを採用し、土汚れや水濡れを気にせず使用できる工夫を施しました。
自転車や子どもの遊び道具を気軽に置くことができ、家族のライフスタイルに合わせて柔軟に活用できます。
また、ポーチから直接中庭へアプローチできるため、玄関から外へ出る感覚で気軽に庭の緑を楽しめます。
光と木のぬくもりが広がる空間
玄関から続くLDKは、家族が自然と集まりたくなる心地よい空間。
一直線に配置されたリビング・ダイニング・キッチンが、視線の抜けを生み、より広々とした印象を与えます。
大開口がもたらす開放感
リビングは大きな開口からの光がたっぷりと注ぎ込み、明るく開放的な空間を演出。
窓際にはベンチを設置し、家族の憩いの場として機能します。
読書をしたり、外の景色を眺めながらリラックスしたりと、日常のなかでほっと一息つけるスポットです。
また、壁の両端には造作の飾り棚を設け、デザイン性と実用性を兼ね備えたアクセントに。
さらに、天井にはハイサイドライトを配置し、室内の奥まで自然光を取り込むことで、一日を通して心地よい明るさを保ちます。
空間を効率的に活用したレイアウト
ダイニングはキッチンカウンターと一体化させることで、限られたスペースを最大限に活用。
カウンターに直接つながることで、料理の配膳や片付けの動線がスムーズになり、日々の暮らしをより快適にします。
空間のアクセントとなるのが、ライトブルーのペンダントライト。
木の温もりあふれるインテリアのなかに、爽やかな彩りをプラスし、明るく楽しい雰囲気を演出します。
機能性とデザインを両立
キッチンはペニンシュラ型を採用し、作業スペースをしっかり確保しながら開放感を演出。
ダイニング側には収納棚を設け、調理器具や食器類をすっきりと収められる工夫が施されています。
背面にはキャビネットを配置し、収納力をさらに強化。
キッチンカウンターの腰壁にも木板を取り入れることで、フローリングや板張り天井と調和し、温かみのある空間に仕上げています。
大きな2つの開口からは光がたっぷりと差し込み、朝の食事やコーヒータイムをより心地よいものに。
家族とのコミュニケーションを楽しみながら、毎日の料理が楽しくなる、こだわりのキッチンです。
暮らしやすさを追求した水回りスペース
洗面スペースは、廊下の一部として配置され、家族全員が使いやすいように設計されています。
帰宅後すぐに手を洗える動線になっているため、衛生面でも安心。
洗面台はワイドな設計で、2人同時に使用できるため、忙しい朝の混雑を軽減します。
また、洗面カウンターの横には小さなデスクスペースを設けており、家事の合間のちょっとした作業や、身支度の準備など、多目的に使える空間となっています。
浴室はホワイトを基調としたデザインで、清潔感と開放感を演出。
くもりガラスの間仕切りを採用することで、視覚的にも広がりを感じられる空間に仕上げました。ランドリールームには、大きな横窓を設け、自然光がたっぷりと差し込むよう配慮。
これにより、天気が悪い日でも明るさを保つことができ、家事のモチベーションを高めます。また、室内干しスペースも設けられているため、天候に左右されることなく洗濯物を干すことができます。
シンプルながらもデザイン性を意識
トイレはコンパクトながらも、壁面にタイルを取り入れることで、空間に表情を持たせました。デザイン性だけでなく、掃除のしやすさにも配慮し、常に清潔な状態を保てるよう設計されています。
光を活かしたプライベートルーム
プライベートルームは、家族それぞれが自分の時間を大切にできるよう、光の入り方や動線に工夫を凝らしました。
光を取り入れながら視線を遮る窓設計
平屋は、外部からの視線が気になりやすいため、各部屋の窓の配置には特にこだわりました。
高窓や地窓を採用することで、十分な採光を確保しつつ、外からの視線を遮る工夫が施されています。
さらに、白い壁面が光を拡散し、より明るく開放感のある空間を実現しています。
ファミリークローゼットで収納力を確保
2つのプライベートルームの間には、家族全員が使えるファミリークローゼットを設置。
ハンガーパイプや棚を組み合わせることで、収納力を最大限に高めました。
衣類を一箇所にまとめることで、各部屋の収納スペースを削減し、より広々とした生活空間を確保できます。
住まいの中心にある「1mの森」の中庭
建物の中央には、四季の移ろいを楽しめる中庭が広がります。
まるで森の中にいるかのような癒しの空間が、日常生活に豊かさをもたらします。
ウッドデッキの活用で多用途な空間に
中庭には、ウッドデッキを設置し、LDK側と洗面所側の2方向からアクセス可能な設計に。
朝のコーヒータイムや、休日のリラックススペースとしても最適な空間となっています。
家族の憩いの場として活用できるだけでなく、洗濯物を干すスペースとしても便利な設計です。
1m幅の植栽スペースがつくる癒しの空間
中庭を囲む1m幅の植栽スペースには、季節ごとに異なる表情を見せる植物を配置。
これにより、四季の移り変わりを感じながら生活できる環境を実現しました。また、周囲の住宅との心理的距離を生み出し、プライバシーの確保にも役立っています。
風がそよぐたびに木々が揺れ、室内にも自然の気配が届く—。そんな穏やかな暮らしを、この中庭が支えています。
「1mの森を持つ家」は、日常生活の利便性を考えた水回り、快適なプライベートルーム、そして豊かな緑に囲まれた中庭が特徴の住まいです。使い勝手を追求した設計と、自然を感じる空間づくりが融合し、毎日を心地よく過ごせる理想の住環境を実現しました。